「BIMツールを利用した建築設計プロセスの実験 とちぎデザインスクエア」

中村さんの所属する建築設計情報研究室では、デジタルツール(BIM*1 /ICT*2)を利活用することによって設計者のクリエイティビティを高め、デザインの高度化を実現するための試みを行っている。今回の設計競技は「ArchiCAD」というソフトウェアを利用して、24時間以内に与えられた課題をクリアすることが求められるものであった。

一般的に、BIMツールは施工や生産(実際に建物を建てる過程)で利用されるもので、建築デザインの初期の段階で使われるものではない、という認識がある。しかし中野さんは、デザインの初期段階からBIMツールを利活用することによって、デザインをより豊かにできると考えており、今回のコンペでは「設計プロセス中で考えたこと・アイデアを、すべて記録として残しながら設計する」という手法を試みた。

その結果、中村さんは、アイデアをすべてコンピュータ上に記録することで、設計中の検討項目や問題点を可視化することができ、24時間という限られた時間のなかでも多元的・多角的に考えこまれたデザインを実現することができたという。

「『デザイナーの視点からBIMツールを利活用する』という新たな取り組みが評価され、優秀賞をいただくことができました。引き続き、デザインをより豊かにしていくための、コンピュータ利用の可能性を探っていきたいと思います」と受賞の喜びを話した。

※1 BIM:Building Information Modeling…建築物を、3次元モデルとしてコンピュータ上に構築し、建築設計から施工までのプロセスにおいて活用する技術・手法
※2 ICT:Information and Communications Technology:情報通信技術

<指導教員:澤田英行 教授(環境システム学科)、衣袋洋一 名誉教授>