土木工学科の伊代田岳史准教授は、株式会社東京テクノ(東京都町田市/代表取締役 松原篤)と共同で、コンクリート構造物解体時に生じるコンクリート塊(解体コン)から取り出した骨材(再生骨材)に二酸化炭素(CO2)を吸着させることで、骨材自体の品質を向上させることのできる効果について明らかにしました。

解体コンのほとんどは路盤材として利用されていますが、今後道路建設の減少が推測されるため、コンクリート構造物への再利用、すなわち再生骨材の普及が求められています。再生骨材は品質によって3段階の規格(図1)に定められていますが、解体コンから取り出した骨材を、十分な品質を担保した骨材として再利用するためには、多くの製造コスト・エネルギーを要するため、なかなか再生骨材の利用が進まない現状があります。

そこで伊代田准教授は、再生骨材にCO2を吸着させることで骨材の品質改善に効果があること、特に多くのモルタルを含んだ低品質の骨材ほど、改善の効果が高いことを明らかにしました。今後は、簡易で低コストに骨材の品質向上を図り、コンクリート構造物として再利用しながら、骨材の炭酸化に工場の排煙などを利用することで、CO2排出量削減も同時に実現するプロセスの構築を目指していきます。

研究の背景

解体コンは、主に路盤材として再利用されていますが、今後道路建設の減少が推測されるため、再生処理を経て、コンクリート構造物として再利用することが望まれています。
また、震災復興による建設工事の増加の影響によって、大量の骨材が必要とされている一方で、天然骨材(川砂、海砂)の枯渇化も進んでいることからも、再生骨材の普及が求められています。しかしながら、再生骨材は、一定の品質を得るためには、破砕したコンクリート塊から骨材に付着したモルタルを取り除き、加熱させるなどの工程を経る必要があり、高エネルギー・高コストを要するために、なかなか再生骨材の利用が進まない現状があります。

図1:再生骨材の規格(Hほど必要コスト・エネルギーが高く、Lほど低い)
図1:再生骨材の規格(Hほど必要コスト・エネルギーが高く、Lほど低い)

研究成果

伊代田准教授はこれを解決する方法として、コンクリートの炭酸化に着目し、再生骨材の品質改善技術について実証しました。中性化促進試験装置内で1週間、骨材に二酸化炭素を吸着させ、吸水率・密度をはじめ骨材としての性能を測定(図2)。その結果、コンクリート解体時に付着していたモルタルとの空隙が減少することで骨材の品質が向上し、さらにコンクリートにしたときの乾燥収縮を抑える効果があること、そして特に多くのモルタルを含んだ低品質(再生骨材Lや規格外)のものほど二酸化炭素の吸着率が高く、品質向上の効果が高いことが明らかとなりました(図3)。

図2:中性化促進試験装置内でCO2を吸着
図2:中性化促進試験装置内でCO2を吸着
図3:通常の再生骨材の規格と、CO2吸着後の性能評価
図3:通常の再生骨材の規格と、CO2吸着後の性能評価 低品質L規格のものほど、大きく品質が改善していることがわかる

今後の展開

この技術について伊代田准教授は、2014年3月に(株)東京テクノと共同で特許を出願しており、今後セメント工場の排煙を利用して炭酸化を行う技術の確立を目指しています。このプロセスを確立することで、高い品質の再生骨材を提供できると共にコンクリート産業界全体の二酸化炭素排出量の削減が期待できます。

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