Unbalanced Buffer Tree Synthesis to Suppress Ground Bounce for Fine-grain Power Gating

-LSIチップを低消費電力化する細粒度電源遮断制御のための自動設計技術-

宇佐美 公良 教授

近年、コンピュータ、携帯電話など電子機器の省電力化の重要性が増しており、消費電力削減を図るためにさまざまな研究が行われている。

宇佐美教授は、電子機器内のLSIチップ内部の電源スイッチを非常に細かくし、ナノ秒以下の時間差で細かいスイッチのON/OFFを切り替えることで、切り替え時の電源ノイズを抑えつつ省電力化を図る技術を開発した。また、チップを試作して動作を確認した。

チップ内部の回路が動作していないわずかな期間でも電気を切ることで無駄な消費電力を減らし、使うときだけ通電する技術であり、この技術を2014年にフィンランドで開催された国際学会にて発表。共同で研究開発している東京大、東京農工大、慶應義塾大とともに最優秀論文賞を受賞した。
この技術の実現においては、回路のスイッチを切り替える際に発生するノイズ、それによる電子機器の遅れ、誤動作などが課題であった。

宇佐美教授は、「電子情報機器の省電力化の重要性に伴い、それに搭載されるLSIチップにはこのような省電力化技術が必要となります。さらに、社会ですべてのモノがインターネットにつながるIoT(Internet of Things)が実現されるようになると、ごくわずかな電力でも動作するようなセンサーチップが求められます。こういったLSIチップへ、この省電力技術の研究を生かしていきたいと思っています」と話している。

 ※LSIチップ…集積回路(IC)のうち、素子の集積度が大規模のもの