リン酸マグネシウムセメントによる低レベル放射性廃液の固化に関する基礎研究

使用済核燃料再処理(使い終わった核燃料をもう一度使えるよう処理を行うもの)は、処理に伴い放射性廃液(放射性物質を含んだ液体廃棄物)が発生する。この廃液は、液体のままでは保管・管理が難しいため、固体にする必要があると考えられている。

山中さんは、日常で用いられているものとは違う、リン酸マグネシウムセメントという新しいセメントを用い、この作製時における欠点の改善など、セメント作製方法の最適化条件を調査することを目的に研究を行った。

リン酸マグネシウムセメントは、リン酸溶液に酸化マグネシウムを混ぜることで得られ、他のセメントと比べ減容率(液体から固体にした際の容量の減り具合)が大きいため、最終的な廃棄物の量をより多く減らすことが出来る。しかし、セメント自体の反応がとても早い(固まりやすい)ため、混ぜている最中にセメントになりきらない部分が存在している状態で固まり不均一になる欠点があった。山中さんはこの欠点を改善し、反応速度抑制と固化体均一化作製を両立するため、供給する酸化マグネシウム粉末の粒径を詳細に変化させて実験を重ねた。

今後の目標について山中さんは「今回の結果を踏まえて実験条件を再検討し今後も引き続き、反応速度の抑制と固化体均一化の両立が可能な作製条件を模索していきます。また、加えて作製した固化体の耐水性についても調査を行い、廃液への適用が可能かどうか検討していきたい」と話した。

<指導教員:新井 剛 准教授(材料工学科)>