12月10日、工学部 機械工学科の山西陽子准教授が、文部科学省 科学技術・学術政策研究所が選定する国内11名の研究者「ナイスステップな研究者」に選定されました。

同研究所の調査研究活動や専門家ネットワーク(約2,000 人)への調査によって、研究・産学連携・研究支援などの観点から、特にその成果が顕著であり、科学技術イノベーションに貢献する注目すべき11名が選定されました。
今年は、優れた研究成果をあげた研究者に加え、産学連携や地域創生への優れた貢献が認められる研究者について、若手の研究者を中心に選定したと発表がありました。

山西准教授は、高速で発射する微小な気泡を用いた「針なし注射器」の開発を進めており、「針のない注射器の実現に向け、マイクロ流体を用いたインジェクション技術の開発」に関する研究業績が評価され、今回の選定に至りました。今後は、文部科学大臣等への訪問、楯の授与、「ナイスステップな研究者」講演会への出席などが予定されています。

「針のない注射器の実現に向け、マイクロ流体を用いたインジェクション技術の開発」

「針なし注射器」の構造
「針なし注射器」の構造

インジェクション技術は、細胞加工や遺伝子導入などの実験現場や、注射のような日常現場でも活用されています。しかし、針を用いたインジェクション技術では、対象物の構造の一部を破壊するなどするため、私たちは注射を受ける際に痛みを感じます。

山西准教授は、2014年に「針なし注射器」として、注射器内ガラス毛細管内の微小な空間内で放電した際の爆発的なパワーによって、微細気泡を高速発射することで、細胞にマイクロレベルで孔を空けることができる技術を確立しました。穿孔径は約5μmと非常に小さく、細胞へのダメージも少なくて済みます。

また、この技術は、穿孔と同時に試薬の供給が可能であり、今後、穿孔技術・試薬インジェクション技術だけでなく、気泡の気液界面の反応性利用技術、気泡の収縮性を利用したタンパク質結晶を生み出す新しい技術への活用などの貢献が期待されています。

工学部 機械工学科 山西陽子 准教授

略歴

1991 年 筑波大学附属高校 卒業
1997 年 芝浦工業大学工学部機械工学科 卒業
2003 年 ロンドン大学インペリアルカレッジ機械工学科熱流体専攻 Ph.D 修了
2004 年 芝浦工業大学機械工学科 特任講師
2006 年 芝浦工業大学機械工学科 非常勤講師
2008 年 東北大学大学院工学研究科バイオロボティクス専攻 助教
2009 年 科学技術振興機構(JST)さきがけ専任研究員(ナノシステムと機能創発)
2011 年 名古屋大学大学院工学研究科マイクロ・ナノシステム工学専攻 准教授
2013 年 芝浦工業大学工学部機械工学科 准教授

主な受賞歴

・ 計測自動制御学会 論文賞・蓮沼賞(2013 年)
・ 日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス部門一般表彰(ROBOMEC 表彰)(2012年)
・ 計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会(SI2011)優秀講演賞(2011 年)
・ 日本機械学会 畠山賞(1996 年)

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