2月9日、工学マネジメント研究科(MOT)による「中小製造業サービス化コンソーシアム」※の活動の一環として、東京大学大学院情報学環教授 坂村 健氏を招いたセミナーを開催しました。

テーマは「IoT(Internet of Things)の可能性と課題」。

坂村氏は1984年からオープンなコンピュータアーキテクチャ「TRON」を構築し、プロジェクトを通じて、いつでも、どこでも、誰もが情報を扱えるユビキタス・ネットワーキング社会実現のための研究を推進しており、「TRON」は携帯電話の電波制御をはじめとして家電製品、オーディオ機器、デジタルカメラ、FAX、車のエンジン制御、ロケット、宇宙機の制御など世界中で多く使われています。
坂村氏は講演の中で、これまで取り組んできた「TRON」の開発と普及に至るまでを実例を紹介し、その中で、技術開発よりも、実際に社会に導入する際の制度の壁に苦労したことを挙げました。一例として、日本の法律や条例はやってよいことを明示する方針のため、条文に書かれてないことはできないが、米国は禁止事項を明示する方針のためそれ以外の新しいことを始めやすい、という日本と米国の法制度について触れ、その文化の違いが、両国でのイノベーションの質と量の差となっているという指摘をしました。そのほかにも、イノベーションには「オープン化」という要素が必要であることや海外の事例を紹介しながらの子どもたちへの教育の必要性など、技術をどのように実際に社会に導入し、貢献していくかについて幅広い視点から話がありました。
工学マネジメント研究科も、技術と経営の融合を掲げ、技術をどのように社会に還元するかについて教育研究に取り組んでおり、研究科の学生を含む来場者にとって、あらためて技術経営の考え方の必要性を再確認する機会となりました。

※「中小製造業サービス化コンソーシアム」
大学近隣の中小製造企業を中心に、製造業サービス化を支援するIT企業や信用金庫などの団体、このテーマに関心がある大企業30社程が参画しており、経営課題に関する意見交換やMOT教育科目の紹介、教育への要望について討議を続けている。経済産業省 産学連携サービス経営人材育成事業。なお、工学マネジメント研究科では、本コンソーシアムを通じて企業から得た要求や課題に基づき、2016年4月からサービス経営人材育成カリキュラムを開講する。

坂村 健氏

東京大学大学院情報学環教授、ユビキタス情報社会基盤研究センター長、工学博士。
1984年からオープンなコンピュータアーキテクチャ「TRON」を構築。「TRON」は携帯電話の電波制御をはじめとして家電製品、オーディオ機器、デジタルカメラ、FAX、車のエンジン制御、ロケット、宇宙機の制御など世界中で多く使われている。2002年1月よりYRP
ユビキタス・ネットワーキング研究所長を兼任。現在、いつでも、どこでも、誰もが情報を扱えるユビキタス・ネットワーキング社会実現のための研究を推進している。
2015年ITU(国際電気通信連合)創設150周年を記念して、情報通信のイノベーション、促進、発展を通じて、世界中の人々の生活向上に多大な功績のあった世界の6人の中の一人として選ばれる。
2003年紫綬褒章、2006年日本学士院賞受賞。
著書に『ユビキタスとは何か』、『変われる国、日本へ』、『不完全な時代』、『毛沢東の赤ワイン』、『コンピューターがネットと出会ったら』など多数。

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