西坂 柾紀 さん(電気電子情報工学専攻1年)が電子情報通信学会 モバイルネットワークとアプリケーション研究会において若手奨励賞を受賞しました。

【受賞者】西坂 柾紀 さん(電気電子情報工学専攻1年)
【指導教員】森野 博章 准教授(通信工学科)
【発表題目】スマートフォンの回転検知センサを用いた災害時屋内階段昇降階数の精度向上

スマートフォンの屋内ナビゲーションは、最近よく使われるようになっている。屋内では、GPSの電波が届かないことが多いため、端末のセンサにより相対移動距離・移動方向を算出して位置を推定する、PDR(Personal Dead Reckoning)が注目されている。従来のPDRでは、建物の階を上下する際には気圧センサにより得られる高度から現在位置の階数を推定するが、災害時などで通信インフラに接続できない場合には、大気の気圧変動を補正できないため、推定誤差が大きくなることが知られている。本研究では、災害時に屋内での避難経路履歴を正確に記録することを目的に、気圧センサを用いずに現在の階数を推定する手法を提案することを目的とした。

回転ベクトルセンサと呼ばれるセンサを利用して、階段を昇降する際の踊り場でのユーザの方向転換動作を検知し、その検知回数によって、現在位置の階数を推定する手法を提案した。回転ベクトルセンサーはユーザの端末の持ち方、移動中の端末の揺れによって値が変動するため、加速度センサの値などから、各時点での端末の姿勢を検知し、センサ値を補正することで推定精度を高めた。

本研究は、災害時発生後に避難者が建物の外に避難する際に通ってきた経路を、スマートフォンなどに記録し、救助隊に共有することで、通行可能な経路の把握および救助活動の迅速化が役に立つのではないかと考えている。今後は、さまざまなセンサを併用して階段昇降の精度をさらに向上させるとともに、螺旋階段のような踊り場がないような場所でも昇降検知が行えるよう手法の改善を行っていく予定である。