小池 拓実 さん(材料工学科 4年)が第16回 IBB BioFuture Research Encouragement Prize 研究発表会において最優秀賞を受賞しました。

【受賞者】小池 拓実 さん(材料工学科 4年)
【指導教員】下条 雅幸 教授(材料工学科)
【発表題目】Zr-Nb-Ta-Mo合金の磁化率および機械的性質に及ぼすTaの影響

金属材料は優れた強度と延性を持つため、多くの医療用デバイスに使用されている。しかし、体内に埋入した際、周辺組織との磁化率の差で磁気共鳴画像(MRI)撮像時に画像の欠損や歪みが生じ、診断上の問題となることがある。また、骨とのヤング率の差による応力遮蔽に起因した骨吸収も指摘されている。本研究ではこれらの課題改善のために低磁化率、低ヤング率および優れた機械的性質を兼備した合金の創製を目的とした。

理論的に合金の組成を決定する手法を用いて設計したZr-14Nb-xTa-1Mo合金 (5 ≤ x ≤ 10)の鋳造材を作製し、磁化率および機械的性質を評価した。これらの合金は既存の医療用金属材料と比較して低ヤング率、低磁化率および優れた機械的性質を兼備しており、Ta量が増加するとヤング率と磁化率が減少することを確認した。

近年、高齢人口の増加に伴う介護要因となりうる運動器疾患の増加が懸念されており、体内埋入型デバイスのさらなる使用増加が予想される。本研究で開発した新規Zr合金は、MRI診断と骨の脆弱化防止を可能とし、高齢者の独立した生活の一助となることが期待できる。